アカハラダカ(Accipiter soloensis, Chinese Goshawk)
達人:阿寿
撮影者:阿寿
10月の国慶節頃に国境を超える「国慶鳥」であるサシバ以外にも、台湾では数多くの移動猛禽類が風に乗って大空を舞う様子が見られますが、もちろんアカハラダカも見逃せません。東北アジアのアカハラダカは、台湾島の東西に分かれてから墾丁に集まり、更に南下して南洋諸島に向かいます。参山国家風景区はちょうど彼らの渡る経路の一つになっています。
全長約30㎝のアカハラダカは小型の鷹類に属し、身体が小さく鼻の先にハトのような黄色い蝋膜があることから「ハトタカ」や「斑鳩鷹」とも呼ばれます。頭と背は青みのある灰色で、成鳥の胸、腹部は橙色になることから、この「アカハラダカ(赤腹鷹)」という名前が付けられました。ただし、腹部の橙色の濃淡や範囲は個体差や年齢により異なり、幼鳥の腹部には縦線があるだけで、全体を覆う橙色の羽毛はまだありません。成鳥の雄と雌の最もわかりやすい見分け方は、目の色です。雄は赤、雌と幼鳥は黄色です。
毎年秋の9~10月頃がアカハラダカの越境のピークなので、この時期に短期間でもタカ観賞の旅にお出かけください。早朝や夕方、近郊の山地の木の上に注目すると、獲物を探している元気いっぱいのアカハラダカが見られます。9時以降、熱い気流が上昇した後は、タカが群れを成して大空を翔る姿を観賞できます。