伝統的な客家文化を体験し、本場の客家グルメを味わい、素朴でどこか懐かしい雰囲気を楽しみたい方には、「北埔老街」は外せないスポットです。この歴史の記憶が刻まれた街道には、清代以来の建築様式が今も残されており、通りの両側には、趣ある古民家や個性豊かな店が軒を連ねています。「北埔老街」を歩けば、濃厚な文化の香りと、客庄(客家の集落)ならではの魅力を存分に味わうことができます。
歴史建築をめぐる、時を超える文化の旅
「北埔老街」は、台湾でもっとも史跡の密度が高い老街として知られており、街並みには赤レンガ造りの古民家や、レトロな木製の窓が数多く残されています。ゆっくりとその中を歩けば、赤レンガの街路、石畳の路面、そして精緻な牌楼(中国由来の装飾門)が織りなす景観に包まれます。濃厚でどこか懐かしい雰囲気の中、まるで時のトンネルに迷い込んだかのような感覚を味わえるでしょう。
有名な史跡「金廣福公館」と「慈天宮」は、かつての開拓と信仰の歴史を今に伝えており、ドラマ《茶金》のロケ地となった「姜阿新洋楼」は、北埔を訪れるなら外せない記念撮影スポットです。そのほかにも、「忠恕堂」や「鄧南光影像紀念館」、「老街古井(北埔老街に残る古い井戸)」などの名所を巡ることで、北埔の歴史と文化をより深く知ることができます。
本場客家の味を楽しむ、老街グルメの饗宴
「北埔老街」では、手作りの粄條(米粉の平麺)や、さまざまな定番の客家料理など、地元ならではの客家グルメを楽しむことができます。街の入口から奥の路地まで、どこを歩いても美味しい発見の連続です。ぜひ味わいたいのが、客家の名物「擂茶」。ピーナッツやゴマ、茶葉を自分の手で挽いてつくるDIY体験も楽しめます。デザートには、草仔粿(よもぎを練りこんだ客家の蒸し餅)や豆花(豆乳プリン)といった伝統スイーツのほか、古民家を改装したカフェも多数あり、午後のティータイムをのんびりと過ごすのにもぴったりです。お土産には、柿餅、芋頭餅(タロイモ餅)、蕃薯餅(サツマイモ餅)など、客家ならではの伝統菓子がそろっており、自宅用にもお土産にも最適。老街をめぐる旅の思い出を、形にして持ち帰ることができます。