霊霞洞は、大正6年(西暦1917年)に建立された浅い岩洞の石廟です。立面で最も特徴的なのがバロック式の牌坊の門構えで、中には釈迦如来、伽藍神、韋馱天、阿難陀、観音菩薩が祀られています。 昭和7年(西暦1932年)に正面の牌坊を修築し、左右それぞれに徳心和尚が記した「山虚」、「水深」の二文字が刻まれました。
毎年春になると廟の前に一面の雲海が広がり、洞窟の前の小川は泉が渦を巻いて流れ、また、霧に覆われて水深が目測できないことから、「山虚」、「水深」と記されました。日光が差し、雲海が漂い、雲の間から差す無数の光が岩壁を照らします。雲海の動きとともに色とりどりに変化し、天気によって様々な姿を見せるため、霊霞洞と名付けられました。